お名前.com 小学生や中学生など子供のスマートフォン所持率が上がるにつれ、スマホやネット依存症に陥る子供が急増し、社会問題となっている。 そんな中、スマホとスマートに付き合う方法を子供たち自身に探ってもらうためのユニークな合宿を9月に六甲山中で実施した。 ネットゲームの課金が180万円いったことがある、気がついたら午前0時を過ぎていることが多く、授業中眠いなど子供たちは自身のスマホやネットへの依存ぶりを口々に明かした。 参加したのは同市内の小学5年から中学2年の子供17人。皆、初対面だ。スマホに接する時間が1時間と比較的少ない子供もいるが、中には4~8時間というヘビーユーザーも。子供たちは4、5人ずつの班に分かれ、スマホ・ネットの「いいところ」「悪いところ」を書き出し、班のメンバーで協力して1枚の模造紙にまとめ、スマホについてじっくり考えた。 もちろん考える時間だけではない。班のメンバーが協力して行うゲームや食事づくり、カヌーやハイキングなど自然の中での遊びがプログラムに組み込まれている。 合宿を監修した兵庫県立大准教授(教職担当)でソーシャルメディア研究会代表の竹内さんは「人と接し自然の中で遊ぶ。ひとりの世界に閉じ籠もるスマホとは対極の要素を詰め込んでいます」と説明する。 たとえば2分の制限時間内で折り紙タワーを作り高さを競うゲーム。メンバーは知恵を出し合い、粘着テープを切る人、折り紙を折る人など役割分担してタワーを作っていく。最高142センチのタワーを作った班もあった。 「メンバーが協力せざるを得ない状況をつくり、人と接することの楽しさを知ってもらうのが目的です」と竹内さん。 子供たちのやる気を刺激するには、それぞれの班につく県立大などの学生リーダーらの存在が重要だという。子供の言うことを否定せず、横から口を出すこともなく、ただ「すごい!」「低いけど頑丈そうだ」…と拍手をしながら褒める。 「ここに来ている子供たちは普段、家では怒られるだけで褒められることはないでしょう。他の子が褒められるのを見れば、よし自分もと奮起します」 さらにゲームに勝ったりワークショップなどで発言したりした子供にはその都度シールを1枚与え、台紙に貼らせていく。成果を可視化することで、子供たちは自信を深め、さらに積極的になるという。 狙いは当たり、最初のうちは何もしゃべらずメンバーの輪に入ろうとしなかった子供もゲームに参加し、リーダーにも気軽に話しかけるようになっていた。 スマホやネットをする時間が1日8時間という中学2年の女子生徒は「来る前は朝からイライラしていたけど、みんなと仲良くなれて楽しかった」と目を輝かせていた。 合宿最終日には、保護者や神戸市関係者らも参加して成果発表のフォーラムが行われ、子供たちは「ネットの使用時間を少しずつ減らす」「うまくつきあって高校受験を頑張りたい」などとそれぞれが立てた目標を発表した。 スマホ依存は子供問わず、大人も同じ。ネット使用時間は年齢問わず使用時間を 決めたほうがいい。 人との繋がりの大事さを改めて認識できるようになると思われる。