ウォール街のプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社は、債務に依存した企業の乗っ取り屋として長く非難されてきた。だが借り入れコストが急上昇する中、今はディール成立に向け異例の手法に頼っている。レバレッジド・バイアウト(LBO)においてレバレッジを排除しているのだ。
フランシスコ・パートナーズやトーマ・ブラボー、ストーンピーク・パートナーズなどはここ数週間に、借り入れによる資金調達を行わない形での新たな買収を発表した。自社のファンドの手元資金で買収額全体を事実上賄う格好だ。買収額は20億ドル(約3000億円)を超える例もある。
このような動きは一時的となる可能性があるものの、レバレッジを活用し、リターン拡大に向け常により独創的手段を追い求めることで知られる同業界にとっては劇的な転向だ。