32年ぶりとなる一時1ドル=150円台を付け、政府・日銀の為替介入後も続く円安基調が、鹿児島県の経済に影響を及ぼしている。新型コロナウイルスの水際対策緩和も重なり、海外からの観光客受け入れでメリットを生む。反面、燃料や輸入商品の値上がりに拍車をかけ、企業活動や生活に影を落とす。
イタリアやフランス産など約500種類のワインを扱う岡山酒店(鹿児島市)では、円安や輸送コストの高まりで、上昇した価格と品質が釣り合わず販売を見合わせる商品もある。
「円安の影響を受けない在庫を持つ輸入業者から調達するなど、工夫と努力でしのいでいる」と、岡山宏社長(63)は前を向く。
県内で10店以上を展開する鹿児島市のスーパーでは、ウクライナ侵攻の影響もあり、全体的に価格の上昇が続く。担当者は「正月用の数の子やカニなどは今後も値上がりが見込まれ、見通しが立っていない。
円安がいかに日常生活に悪影響を及ぼしているか顕在化した事例である。
これからは輸入商品、国内商品もどんどん値上がりは続くと考えられる。