将棋の名人への挑戦権を懸け、トップ棋士がしのぎを削る対局で「マスクを長時間外した」という理由で勝負が決まった。28日に行われた第81期名人戦A級順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の佐藤天彦九段(34)―永瀬拓矢王座(30)戦は、日本将棋連盟が新型コロナウイルス対策で設けた臨時規定を根拠に佐藤九段の反則負けとなった。だが規定違反となる基準や判定の体制の不備に、棋士やファンから疑問の声も上がっている。
問題が起きたのは、28日深夜。佐藤九段が長考中、30分以上マスクを外したままでいることを、対局相手の永瀬王座が問題視。連盟理事が急きょ駆け付け、連絡を受けた佐藤康光会長と協議して判定を下した。規定では、反則の判定は「立会人」が行うことになっていたが、通常、深夜に立会人はいないため、永瀬王座の指摘から判定が下されるまで約1時間ほどがかかった。
今年1月にこの規定が設けられて以来、適用は初めてのケースだった。規定が設けられる以前は、対局時のマスク着用は「推奨」にとどまっていた。しかし、終盤になると棋士が息苦しさからマスクを外して盤に向き合う場面も頻繁に見られた。対局相手が長時間マスクを外すことを嫌う棋士も出始めたことから、着用が義務化された経緯がある。
日本棋院では、対局中にマスクを着けていない棋士に対して、立会人の棋士がマスク着用を求めて警告を発し、従わない場合は反則負けにする決まりとなっている。立会人はその日の全対局が終わるまで棋院内に待機し、対局室内の映像でマスクを外している棋士がいると注意することもたびたび起きているが、反則負けは出ていない。
これに対して将棋連盟の規定には、どのくらいマスクを外していたら反則に当たるかや注意喚起に関する条文がない。そのため、今回のように、棋士はいきなり「一発レッドカード」を突きつけられることになる。ツイッターでは「これはおかしい」と判定を疑問視する棋士も複数いる。
これは、全ての事で言えることで息苦しいの一言。
こういうマスク不着用の一発退場のレッドカードは脱マスクを日本が
する時に重しに確実になるだろう。