日本エアコミューター(鹿児島県)など九州の地域航空3社と全日本空輸、日本航空は30日、大手の系列を超えた共同運航を始めた。系列を超えた運航は国内で初めて。
3社はこれまで全日空、日航のどちらかと提携関係にあり、それぞれの系列内で共同運航を進めてきた。人口減少や新型コロナウイルス禍などで離島路線の利用者が減少しており、路線維持のために、初めて大手2社の垣根を越えての共同運航に踏み切った。
地域航空会社は日航系の日本エアコミューター、天草エアライン(熊本県)と、全日空系のオリエンタルエアブリッジ(長崎県)。30日朝からそれぞれ別系列の共同運航に加わった。対象は鹿児島、熊本、長崎3県の離島や沖縄県に就航する3社の路線で、30日の対象便から全日空、日航の予約サイトなどで航空券を販売している。30日は対象便の搭乗率の1~2%相当分が、系列を超えた航空券購入だったという。
福岡空港(福岡市)で30日、地域航空3社や全日空、日航の幹部が記者会見した。天草エアラインの永岡真社長は「コロナ禍による観光需要の低迷で打撃を受けた。大手2社の販売力で、多くのお客様に天草に来てもらいたい」と期待した。全日空の松下正・エアライン事業部長は「新たな魅力ある就航先をマイレージクラブの会員に紹介できる」と語った。日航の豊島滝三・路線事業本部長は「認知度を高め、地域航空3社の持続可能な経営を支援したい」と話した。
共同運航は、複数の航空会社が同じ路線の航空券を協力して販売する仕組み。全日空と日航は互いに異なる地域航空会社との共同運航で顧客の囲い込みを図ってきたが、離島路線の維持には双方の協力が必要と判断。3社と全日空、日航は2019年に事業組合を設立し販売促進や共同運航について協議をしてきた。
良い取り組みですね。
共同運行で旅行需要を更に取り込んでほしいですね。