無線通信で米最大手ベライゾン・コミュニケーションズが示した通期の利益見通しは、ウォール街の予想に届かなかった。消費者向け無線事業が引き続き業績への重しになった。
24日の同社発表によると、2023年通期の1株当たり利益は一部項目を除いたベースで4.55-4.85ドルになる見込み。アナリストの予想平均は4.97ドルだった。ベライゾンは同業他社との競合において、コストが高くつく電話機の無償提供に依存してきた。
同社はAT&TやTモバイルUSに市場シェアを奪われている。競合相手である両社による機器の無償供与やネットワーク改善が背景にある。
今年通期の利益は約9%減少の予測で、同社のハンス・ベストベリ最高経営責任者(CEO)が直面する課題を浮き彫りにしている。同氏は低迷する消費者事業のてこ入れに向け、販売促進策に依存しているためだ。
携帯電話の新規契約者数は2022年10-12月(第4四半期)に21万7000人。アナリスト予想の20万9600人を上回った。ただ、Tモバイルの契約者数は10-12月に暫定数値で92万7000人増となっており、これを大きく下回る。25日に決算を発表するAT&Tは63万9600人増と予想されている。