大阪府内に拠点を置くタクシー会社の多くが、今夏にも5000円超の運賃を5割引きにする「55(ゴーゴー)割」を廃止することがわかった。
55割を導入していた事業者の8割にあたる143社が、9000円超の運賃を1割引きにする設定に改める。
業界で燃料高や人手不足が課題になっていることが背景にある。
55割は5000円を超えた運賃分が半額になる割引。2002年の運賃の規制緩和に伴い、大阪のタクシー会社が相次ぎ導入した。
タクシー激戦区の大阪ならではの割引で、近畿運輸局によると、昨年9月末時点で大阪府内の法人タクシー(ハイヤー含む)の6割にあたる165社が導入。このうち143社が割引率の変更を申請している。
約20年にわたって続いてきたが、コロナ禍による収益悪化で高い割引率が経営の負担となり、タクシー業界が見直しに動いた。
運輸局も過度な割引を是正するため、昨年12月に割引率を見直す際の審査基準を緩和し、タクシー会社側が変更しやすくした。申請があれば認可する方針という。
大阪だけでなく燃料高騰や人手不足は全都道府県にも波及しタクシーの値段が上がると予想される。